書き始めるまで時間がかかる。
やらねば……と思っているのに行動に移せない。
他の小説を読み始めたり、ネットサーフィンを始めたりする。
どうしてそうなるのか。
最近、それは理想と現実のギャップが辛いためではないかと思い始めた。
他の人がどうかは知らないけれど、私の場合は脳内にある時の話が一番輝いている。まだ世に出ていないので理想度200%で美化されている。
が、いざ文字に起こすとそれは色褪せる。脳内にあった時ほどの輝きは失せ、ただの他愛ない作品のようになってしまう。
もちろん、仕方がないことだとは分かっている。それにほぼほぼ脳内の形で出力できた時はとてつもなく嬉しい。
でも、そんなことは何度もあるものではない。脳内の形をそのまま出そうとすると、無茶苦茶時間がかかるし、そうしても100%そのまま出れるわけではない。
時間だけ過ぎ去るので、結局妥協して書くことになる。それで無意識にがっかりする。ああ、凡作になっちゃった……と。
この「がっかり感」を感じたくなくて、なんだかんだ言って書くのを避けようとしている気がする。
もしかしたら1度で理想になれるわけがないのだから、推敲して近づく努力をしろと言う人がいるかもしれない。でも私は推敲作業も嫌いなのだ。なんというか、もう終わったテストの採点をしているような気持ちになる。できる限り見返したくない。
これが模試で本番が別にあるのならば間違った問題を解き直して本番に備えるのだけれど、小説に関しては模試などではなく、それは本番なのだ。本番でしくじったものはそっとしておいて記憶から消し去りたい。いや、必要だからやるけどさ。
私の場合はこんな感じ。